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Poems

儚き白 情熱の黒

白い世界が地上に現れる
美しくも 世界を閉ざしてしまう 一面の白が
そして天空から舞い降りるのは 淡く儚いダイヤモンド
それは更に 地上のカンバスを白く 白く 染めていく

けれどもその白い世界が この地で長く続く事はない
どんなに長く続くと思われる白銀の世界も
やがては終焉の時を迎えるだろう
ダイヤモンドと雪とは 何処となく似ているから
たとえば 熱に弱い辺りなんかはそっくりだ
ダイヤモンドが最も価値ある宝石だなんて事 誰が決めたのか?
およそ900度の熱を加えれば あえなく炭と化してしまうと言うのに───

そんな事を考えながら 窓の外を見てみると
寒さをものともしない無邪気な子供達が
せっせ、せっせと雪だるまを作っている
コロコロ コロコロ……
押していくに連れて雪玉はどんどん大きくなっていく
その様はダイヤモンドの結晶と言うよりは
むしろ フラーレンのそれを思わせる光景で───
ダイヤモンドもフラーレンも 元を質せば
同じ炭素という元素から生まれた結晶だ
なのに 不思議なほど性質が違うのだから
世の中って本当に面白いものだ
そう言えば炭素の結晶にはもう一つ 電気を通すものもあったよな
高校時代の化学実験でその結晶…即ちグラファイトに
電気を通す実験をやってた当時は ワクワクしていたのを思い出した

今は実験室に籠もる日々が当たり前になってしまったけれども
高校時代くらいまでにやった実験のワクワク感を思い出せたのだから
今やってる実験で思うような結果が出なくても 挫けずに進めていこうと
そう 誓いを新たにする事ができた


by Mizuho Aikawa/ 2014